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遺留分減殺請求とは?

遺言は、遺言者の人生における最終意思の発露であり、遺言書の死亡によって効果が発生する法律行為です。法定相続分と異なる割合で相続人に財産を残した場合、遺言書を作成しておくと、法定相続分と異なる割合にすることができます。

遺言により法定相続分と異なる指定ができるとはいえ、遺言者が財産のすべてを自由に処分できるわけではありません。妻と子供には一銭もあたえず、その全部を赤の他人に譲るという遺言書が作成されたとしても、遺族が「家族なのだから、せめてこれだけは残しておいて」と言える権利を法が認めました。これが遺留分請求権です。

遺留分制度とは

一定の法定相続人(民法887条、889条、890条)には、遺留分(民法1028条)と言われるものがあり、いくら遺言書を作成し、その相続人の取り分をゼロにしても、その相続人が遺留分減殺請求権(民法1031条)を行使すれば、他の人にあげたはずの財産を、一定範囲で取り戻すことができます。

遺留分減殺請求の問題になった場合、原告と被告のいずれ側に立つにせよ、遺言の有効性(が争点とならないか)を、まず吟味する必要があります。

遺言は遺言者の死亡後に効果が生じるので、遺言の文言や遺言した時期があいまいでも故人に意思や内容を問いただすことができません。そこで、遺言には、厳格な方式が定められています。せっかく遺言書を残しても、遺言者の方式が、法律の定めた条件を満たさず、遺言が無効になることも多々見受けられます。

これは、遺留分の場合も同様です。遺言書の形式の不備等を指摘され、遺言の無効性を主張される可能性があり、裁判所により、遺言無効と認定されてしまうと、受遺者は財産をすべて失いかねません。なお、遺言の遺留分減殺請求の行使の方法は、意思表示で足り、訴えによることは要しません(最判昭41.7.14)

遺留分減殺請求訴訟の争点と裁判の準備

遺留分減殺請求訴訟においては、(1)遺言書がある場合は、それが有効かどうか、(2)誰が相続人や遺留分権利者か、(3)遺留分算定の基礎となる財産かどうか、という点で争いが生じる可能性があります。

(1)遺言が無かったことになる原因

遺言の方式や遺言に必要な判断能力に加え、以下のことに注意が必要です。

遺言後に、亡くなった人が遺言と矛盾する生前処分をしていた場合、その遺言は、撤回されたことになります(民法1023条2項)。

さらに、遺言の文言が不明瞭で、遺言者の真意を探求する努力をしても内容が特定できない場合、遺言は無効となります。

(2)相続人の範囲

法定相続人として、民法は、①子があるときは子、②子がいないときは直系尊属、③子も直系尊属もいないときは兄弟姉妹(889条)が、配偶者(夫または妻)と共に相続人となるとしています。(民法887条、889条、890条)。配偶者がいる場合、相続欠格事由等にあたらない限り、配偶者は相続人となります。離婚した者、内縁関係は配偶者ではありません。

①子とは、亡くなった人の子およびその代襲相続人である直系卑属を言います。

②子またはその代襲相続人(孫やひ孫、やしゃご等)がいない場合、亡くなった人の財産は、亡くなった人の直系尊属(父母、父母がいないときは祖父母、祖父母がいないときは、さらにその上)に相続されます。

③子も直系尊属もいない場合、亡くなった人の兄弟姉妹が相続人になります。もし、兄弟姉妹の仲に先に死亡した人がいる場合、その死亡した人がもらうはずの分は、その人の子が代襲相続します。ただし、兄弟姉妹の場合、代襲相続できる数は1回のみです。

④なお、①②③は、同時に相続人になることはない、ということです。

つまり、子がいないとき、はじめて直系尊属が相続人になり、子も直系尊属もいない場合、はじめて兄弟姉妹が相続人になります。

(3)遺留分権利者

民法は、遺留分の権利を持っている人(遺留分権利者)を、配偶者、子、直系尊属と定めています。(民法1028条1号、2号)兄弟姉妹は遺留分権利者に含まれません。兄弟姉妹の場合、関係が遠くなり亡くなった人の財産に依存して生活していることが少ないからです。養親と養子が離縁をすれば、「親」でも「子」でもなくなりますので、遺留分はなくなります。

(4)推定相続人の廃除と裁判に使える証拠の保全

遺留分と関連して廃除の制度があります。遺留分を有する推定相続人に一切財産を残したくない場合に使われるのが廃除(民法892条)の制度です。

遺留分を有する推定相続人が、被相続人に対して虐待もしくは重大な侮辱を加え、または推定相続人に著しい非行があったとき、被相続人は推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができます。廃除は生前にすることも、遺言で死後にすることもできます。

ただし、廃除が認められるためには、生前の虐待もしくは重大な侮辱または著しい非行を、被相続人側が立証する必要があります。被相続人(財産をあげる側)が廃除の請求をしたいという場合、法律専門家に相談をして、虐待、重大な侮辱、そして著しい非行について、重要な証拠を保全確保しておく必要があります。必ずしも、単に家庭裁判所に請求、遺言書に書けば足りるというわけではありません。

(5)遺留分算定の基礎となる財産

遺留分は、被相続人が相続開始の時点(被相続人が死亡した時点)において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加え、その中から債務の残額を控除して算定します。(民法1029条)。贈与は、相続開始前の1年前にしたものに限ります(民法1030条前段)。なぜなら、あまりに昔になされた贈与まで遺留分減殺の対象となりうるとすると、取引の安全や法的安定が害されてしまうからです。

ただし、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、1年前の日より前にした贈与も、遺留分算定の基礎となる財産に加えられます。(民法1030条後段)。

(6)遺留分減殺請求と生前贈与と証拠の保全

遺留分権利者が、別途生前贈与を受けている場合、相続人らが受けた生前贈与の額は、遺留分減殺請求訴訟において現在贈与するべき額に影響を受けます。

そこで、遺留分減殺請求訴訟においては、遺留分権利者や受遺者が受けた生前贈与の額をチェックする必要があり、これが、遺留分減殺請求を長引かせる争点になる場合もあります。

遺留分減殺の効力について

遺留分減殺請求の意思表示がなされると、遺留分を確保する限度で、贈与・遺贈の効力は失われ、その結果、遺留分権利者は、贈与・遺贈の対象となった財産を回復することができます。

遺留分減殺請求に対して受贈者・受遺者の取り得る手段

(1)強力な手段である価額弁償請求

受贈者や受遺者が価額弁償を選択し、実際に弁償がなされたときは、遺留分減殺請求の対象となった目的物が受贈者・受遺者に帰属していたという事実には何ら変動が生じなかったものとされます。(最判平4.11.16)。

遺留分権利者は減殺請求を行うことにより、遺贈・贈与の対象となった財産の所有権(持分権)を取得し、かかる権利に基づき返還請求等をすることができます。受贈者および受遺者は、減殺を受けるべき限度において、贈与または遺贈の目的の価額を遺留分権利者に弁償して返還の義務を免れることができるのです(民法1041条)。これは、受遺者に目的物を帰属させるという被相続人の意思を尊重するために認められています。

受遺者や受贈者は、お金を払えば、遺言で取得した土地や建物を自由に処分利用することが可能になります。その意味で、価額弁償請求は、遺留分減殺請求に対する強力な対抗手段であると言えます。

(2)法的専門知識と数々の主張立証が必要

もっとも、受遺者や受贈者が、遺留分減殺請求に対し、目的物の返還の義務等を免れる効果を実際に得るためには、単に価額弁償する意思を通告するだけでは足りません。

判例によれば、価額弁償により、ある土地や建物について移転登記や引渡義務を免れるためには、受遺者や受贈者が、財産について遺留分権利者に対し、価額の弁償を現実に履行し、または、価額の弁償のための弁済の提供をしなければなりません(最判昭54.7.10)。

「裁判で立証が必要である」という意味と遺言・遺留分

裁判の場で立証が必要となるのは、相手方が当該事実を否認した場合です。

当方が主張した事実を相手方が否認するということは、相手方が相手方に有利な証拠を提出してくることを意味します。そして、裁判の場で勝訴をするということは、当方に有利な条文を使いこなし、証明責任に留意しながら質的かつ量的に相手方を上回る主張と立証を尽くすということを意味します。

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ごあいさつ

代表者名
資格
  • 税理士(H14年登録)
  • 行政書士(R3年登録)
  • 宅地建物取引士
略歴
  • 香川県立高松高校卒
  • 一橋大学商学部卒業
  • 筑波大学大学院企業法学修士
  • 三井不動産㈱勤務20年

親切・丁寧な対応をモットーとしておりますのでお気軽にご相談ください。