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遺言の効用

 ”遺言”について、イギリスでは、「まともな紳士というものは、遺言なしで死んだら笑いものにされてしまう」と言われているそうです。近年、日本でも遺言に関する関心が高まってきており、平成25年3月末現在における信託銀行の遺言書の保管件数(保管のみと執行付の合計)を見ると、8万件を超え、増加傾向にあります。このように遺言のニーズが増大してきている背景には、個人保有資産の増大、核家族化の進展や相続財産に関する権利意識の高まりといったことなどによるところが大きいと考えられます。遺言はかえって家族間に無用の波風をおこすもの、または遺言は縁起でもないもの、などといったような受け止め方ではなく、相続に際して重要な役割を果たしていることが認識されるようになってきたといえます。

 遺言の効用には、遺産の合理的配分から争いの防止に至るまできわめて広いものがありますので、ご自分の意志を遺言という形で残すことに取り組んでみてはいかがでしょうか。

遺言の機能

遺言制度には、個人の生前の意思をその死後に実現するための制度であり、満15才以上であれば誰でもこれを利用することができます。遺言は、家族の事情や家業の実態に合わせた遺産の合理的配分、紛争の予防、あるいは知人、教会、市町村など、相続人以外の個人、法人、公共機関への自由な遺産配分といった多様な機能をあわせ持っています。

 遺言は法定相続に優先するのがルールですが、現実には、民法に定める法定相続の割合を参考にして、共同相続人の遺産分割協議により遺産分割が行われることが多いようです。

 しかし、法定相続による遺産分割は、核家族化の進展、権利意識の高まり、相続財産のなかで不動産の占める割合が高いため、分割が難しいといったことなどが原因となり、遺産の配分を巡って争いが起き、残された親の面倒を誰がみるのか、自分の会社の事業を誰に継承させるのかというような問題にまで発展することがあります。

 また、遺産に経済的な評価だけでなく愛着の念がからんでいる場合には、その配分が難しくなることもあります。

 このような場合に、遺言という心配りがあれば、遺産にからむ争いを少しでも未然に防止することができますし、残された人々に遺言者の意思にそった納得性のある遺産配分を実現させることもまた可能となるのです。

遺言の具体例

 遺言による財産(不動産、有価証券、預貯金、動産は言うに及ばず、借地権なども含まれます)の贈与を遺贈、贈与を受ける人を受遺者と呼んでいます。

(1)両親・子供がなく、遺産のすべてを奥さんに相続させたい場合

 相続人が奥さんと兄弟姉妹の場合で、遺産の1/4は、兄弟姉妹に相続する権利がありますが、遺言をすればすべて奥さんに相続させることができます。

(2)息子の嫁に財産を贈りたい場合

 息子の嫁には、息子の両親の遺産について相続権はありません。例えば、死去した息子の親として長い間世話になってきた嫁には、なにかの形で報いたいものです。このような場合には、遺言により嫁への遺贈という方法で遺産を配分することができます。

(3)先妻の子供に遺産を相続させたい場合

 先妻の子と後妻との間で、遺産の配分にからみ、感情的な対立が起こることはよく耳にします。遺言により、遺産の分割をきちんと指定しておけば、いたずらなもめ事は避けられることでしょう。また、後妻や先妻の子供に法定相続分を超えて遺産を残したいときなどにも、遺言が必要です。

(4)知人や友人に遺産を贈りたい場合

 寝たきりの生活が続き、その間、手厚い看護を施してくれた恩人や、献身的に仕事上の援助を惜しまなかった友人へ、感謝の気持ちをこめて報いたいときは、遺言が有用です。

(5)内縁の妻に遺産を配分したい場合

 法律でいう「内縁の妻」とは、社会的には妻として認められていながら、ただ、婚姻届が出されていないだけの事実上の妻のことです。このような内縁の妻には、遺産の相続権はありませんが、遺言により、遺産を贈ることができます。

(6)孫に遺産を贈りたい場合

 子供に遺産を残すよりも、孫に遺産を贈りたい場合には、遺言により、遺産を孫に贈ることができます。

(7)心身障碍者である子供により多くの遺産を残したい場合

 身体や精神上の障害のある子供には、その将来を考えると、通常の相続分より少しでも多く遺産を残したいと思うのが人情でしょう。このような場合にも、遺言により、法定相続分より多く遺産を相続させることができます。

 なお、この場合、生前において、「特定贈与信託」を活用することも一つの方法です。

(8)相続人ごとにそれぞれ特定の財産を与えたい場合

 子供たちの年齢、生活事情あるいは才能といったものに応じて遺産を配分することは、本当に遺産を生かす道です。

 相続人ごとに特定の財産を与えたい場合には、それぞれの財産を特定できるように、不動産の所在、地番、面積、有価証券の銘柄、数量、金額、預貯金の種類、預入れ銀行名、金額などを詳細に記載することが大切です。

(9)遺産を公益活動に役立てたい場合

 公共機関への寄付、公益信託の設定など、社会への恩返しとして遺産を公益活動に活用したい場合には、遺言が必要です。

(10)個人企業や農業を経営している場合

 個人企業の財産や同族会社の株式、または農地などを法定相続分に応じて分割することは、経営基盤の弱体化につながりますので、賢明な方法とは言えません。

 このような場合には、遺言により、後継者に配慮した遺産の配分指定を行うことも大切でしょう。

(11)相続人がいない場合

 相続人がいない場合には、遺産は、家庭裁判所で認められた特別縁故者に分与されるか、または、そのような身寄りもない場合には、最終的に国庫に帰属することとなりますので、遺産の処分を指定したい場合には、遺言が必要です。

(12)祭祀用財産の承継者を指定する場合

 民法では、祭祀用財産の承継は、相続の一般的効力に服さず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継することとなっていますが、「被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときはその者が承継する。」とされており、遺言によって指定することができます。

(13)遺言執行者の指定、指定の委託

 遺産をめぐり、相続人同士あるいは受遺者と相続人とが争うことのないようにするためや、遺言の内容を、迅速かつ円滑に実現させるために、遺言で遺言執行者を指定することはとても大切です。また、執行者の指定を第三者に委託する遺言もできます。

(14)認知、未成年後見人の指定、相続人の廃除等

 これまで家族には内密にしていた子供をこの際、認知したり、残される幼い子供のために未成年後見人を指定したり、または、親を虐待するような息子を推定相続人から廃除することは、遺言によっても可能です。ただし、この廃除が家庭裁判所で認められるためには難しい条件があります。

(15)遺産の分割禁止を希望する場合

 例えば、隣人との土地の境界争いといった事情により、しばらくその土地の分割を猶予したい場合には、遺言で最長5年間、分割を禁止することができます。

(16)条件付の遺言

「私は姪のB子に対し、B子が結婚したあかつきには、D株式会社の株式1万株を遺贈する」といった遺言も可能です。ただし、公序良俗に反するものは無効です。

(17)付言事項

 遺言書には、財産処分に関する事柄だけでなく、これを決めるに至った事情や動機などの言葉(付言事項)を書き添えることも効果的です(ただし、法律上の効果はありません)。

 例えば、「私の遺産は、お母さんと一緒に精一杯働いた産物であり、感謝の気持ちを込めてお母さんには、思い出の残る自宅の土地・建物を相続させることにしました。兄弟で仲良くお母さんの面倒をみてください。」というような温かい思いやりの言葉は、残された遺族の方の心を揺り動かすことでしょう。

遺言の自由と制約

 遺言の自由は、法定相続に優先するという「遺言自由の原則」が基本であるとは言うものの、遺言は必ずしも万能ではなく、次のような制約があります。

(1)遺留分には留意

遺留分制度は、遺言自由の原則と法定相続主義を調整するもので、遺留分として一定範囲の相続人に残すべき最小限の相続割合が決められています。遺言者は、遺言により、財産を自由に処分することができますが、相続人のこれまでの財産形成上の寄与の度合いや今後の生活保障などを考えると、遺言者の意思のみで処分してしまうことは問題です。このため民法では、配偶者、子供(直系卑属)、両親(直系尊属)に限定して、相続財産に対して最高1/2までの遺留分割合を決めています。なお、兄弟姉妹には、この遺留分はありません。

 ただし、遺留分の権利を有する者は、その請求(遺留分減殺請求)をする必要があります。請求をしないと、遺留分を侵害する内容の遺言であっても、そのまま、実現されることとなります。この「遺留分減殺請求」の権利は、遺留分の侵害を知った日から1年、または相続開始のときから10年を経過すると、消滅します。

(2)遺言による債務の負担

 遺言により、相続人に対し債務を承継させる場合には、その承継すべき債務の負担額がそれぞれの相続人の相続する財産より少額である場合には有効ですが、債務のみを相続人に割当てるような遺言は認められません。ただし、債務の承継については、相続の際、債権者の承諾が必要となります。

(3)公序良俗に反するもの

 将来、特定の人との結婚を求めることや再婚を禁止する旨を記載した遺言は、法律上、無効です。

(4)夫婦連名の遺言

 夫婦が相談して連名で作成した遺言書は、無効です。その気持ちは理解できますが、夫婦であっても別々の遺言書を作成する必要があります。

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ごあいさつ

代表者名
資格
  • 税理士(H14年登録)
  • 行政書士(R3年登録)
  • 宅地建物取引士
略歴
  • 香川県立高松高校卒
  • 一橋大学商学部卒業
  • 筑波大学大学院企業法学修士
  • 三井不動産㈱勤務20年

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