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「形見分け」であるかどうかの判断は、「形見分け」という言葉に左右されるものではなく、実質がどうであるのか、内容によります。
一般には世間の儀礼的習慣として、故人の遺品を身内や故人の友人に分ける「形見分け」という慣習があります。これも厳密に言えば遺産の分割に入りますが、慣習上容認される程度のものであれば、分割の計算の外に置くこともあります。
普通は故人が身に着けた衣服、アクセサリー、時計といったものが形見分けの対象です。財産価値がないとはいえませんが、相続争いの対象にするほどのものではない、といった物が対象となります。財産価値というよりは追憶の品です。たとえ、形見分けという言葉を使っても、3カラットのダイヤなどは普通にいう形見分けではなく、当然、遺産分割の対象となるものです。それを相続人の一人が勝手に処分したり、自分のものにしたとなれば、遺産分割に際して計算に入れられてもやむを得ないことです。
ごく当たり前の形見分け、高額でない遺品でも理論上は、どこまでも遺産の処分です。そして、遺産は相続人全員の共有物です。たとえ、被相続人が生前に嫁に「あのバッグは〇〇さんにあげてね」と言っていたとしても、嫁に遺産の処分権があるわけではありませんから、相続人全員に申し出て贈与してもらうのがスジです。頼まれたのが嫁ではなく相続人の一人であっても理論は同じです。
故人の友人などは相続人ではないのですから、これを分けることは単なる遺産分割ではありません。慣習上の贈与ですが、相続人の共有物の贈与ということになります。物の価値は大したことはなくても、贈る相手についても相続人各人の好き嫌いがあり、意外ともめることが多いものです。
なお、勝手な形見分けは遺産分割協議全体の進行の障害になることも多く、相続人の一人が専断的にするのはよくないでしょう。全員の合意があるか、同意を見込める場合以外は、軽率に行う事ではありません。