香川・高松で相続と不動産に強い税理士 (運営:池田達彦税理士事務所)
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「遺言」の方法としては、公正証書、自筆証書、そして秘密証書という方法があります。ここでは、自筆証書で遺言されるときの注意点をまとめてみました。
自筆証書遺言は、自筆で作成したもので、代筆やワープロによるものは無効となります。
日付の記載も「〇年〇月〇日」ときちんと日付が特定されなければなりません。複数の遺言書が発見されたときに、遺言書の内容が抵触している場合、抵触している部分は、日付が新しいものが有効となります。
そして、遺言書に封印をするか否かは任意ではありますが、偽造や変造を防止する観点からは封印することが望ましいと思われます。封印された自筆証書遺言は、相続人またはその代理人が立会いをして、家庭裁判所で開封し、「検認」を受けなければなりません。
公正証書遺言と違って。一般の個人の方でも気軽に作成できる自筆証書遺言ですが、間違いやすく相続発生後問題になる点を以下ご紹介します。
相続財産の中に、不動産がある場合の注意点です。
不動産をきちんと相続登記するためには、登記地番が現在事項証明書(いわゆる登記簿謄本)と一致していることが必要です。基本的なことではありますが、このような記載ミスはよく散見されます。例えば、配偶者にご自宅の敷地を相続させたいと思っても、地番の記載をミスしたことにより、残念ながらこの部分の遺言は無効となってしまいます。
不動産の記載漏れがある事例としては、宅地を分譲開発して、私道を隣地の方と共有して所有している場合に、私道部分の記載を忘れてしまうことです。対象の宅地部分とセットで私道を相続することが、当該地の利用上最も望ましいことですが、取得から数年経過すると忘れる方が多いです。この私道は、固定資産税が非課税となっていることが多く、固定資産税の課税通知書が届かないことから忘れてしまうようです。
最も大きい問題点は、遺留分に対する考慮がないことです。民法では、遺言であっても侵せない相続人の権利として、遺留分が認められています。ただし、兄弟姉妹が相続人の場合には、遺留分はありません。
遺留分の減殺請求権は、原則として相続の開始と遺留分の侵害の事実を知ったときから1年を経過したときに時効によって消滅します。
遺言書は、遺言者の意思を確実に実現させるものであるにも拘らず、上記のようなミスをしてしまうと、まったく意思が考慮されないことになってしまいます。相続人たちで、遺産分割を行うことにより様々な思惑が交錯し、分割がまとまるのに非常に時間がかかることが多いのです。また、相続人間で話がまとまらない場合には、弁護士に依頼をし調停へと、更なる時間と費用がかかることが予想されます。相続税の観点からも、配偶者の税額軽減の特例が適用出来なくなることもあり、多額の納税が発生するというデメリットもあります。
やはり、遺言者の意思を確実に実現させるためには、税務上の問題点を考慮し解決したうえで、法的に不備のない公正証書で作成することをお勧めいたします。